研究者になろうとする学生に必要なスキルアップ

研究技術解説

もしあなたがこれから研究者になろうとしている学生さんなら,学生でいる間に「研究者としてのスキルアップ」を達成する必要があることを強く意識しておかないといけません.もし博士号を得ることだけが目的なのであれば,博士課程に進学して一定の質と数の論文を世に出すことさえできれば十分ですが,その後研究者として成果を挙げ続けたいのであれば,その過程で研究の基礎力を高いレベルにまで引き上げ,使いこなせるようになっていなければいけません

学生の間にスキルアップが必要な「研究の基礎力」とは

研究の基礎スキルとは,「論証」「要約」「意見」「構成」「管理」「確認」の6つのスキルのことを指します.これらのスキルの詳細と,必要な理由は下の記事で紹介しています.

学部研究・修士研究・博士研究でのスキルアップ目標

上記の6つの基礎スキルを着実に向上させていくには,研究の中での実践が重要です.学部研究では,研究の一連の流れを体験する中で,これらの基礎スキルがどのようなものか,また,それらがどのような場面で必要とされるのかを把握することを目標としましょう.修士研究では,専門技術を使って研究の質を高めていく中で,自分の研究パフォーマンスを高めるための基礎スキルの活用のコツを掴むことを目標にしましょう.博士研究では,基礎スキルを使いこなすことで独自の成果を効率よく挙げられることを証明することを目標にするとよいでしょう.

まとめ

上に挙げた基礎スキルは一見簡単なようですが,使いこなして高い研究パフォーマンスに結びつけることは一朝一夕には叶いません.博士号というのは,これらのスキルが「研究者としてなんとかやっていく上で最低限」身についたことの証ではありますが,それだけでは研究者として戦っていくにはとても足りないのです.ある程度自分のスキルが高まってくると,それまでは意識しなかった先輩研究者の何気ない行動や発言が,実は自分などとても及びもつかないほど高いレベルでスキルを使いこなした結果だったことに気づき,驚かされることになるはずです.スキルにリミットはありません.専門的なスキルの向上だけに専念するのではなく,基礎となるスキルの向上も意識的に継続し,少しでも高みを目指しましょう

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