ご挨拶
知能・機能創成工学専攻は、2020年4月からの専攻再編で発展的解消することになりました。
知能・機能創成工学専攻は、1997年4月に大学院改革の一環として大学院専任専攻として生まれました。今までの20余年、教育面では、全国に先駆けたProject Based Learning方式の演習をコアに教育イニシアティブプログラムを実施し、様々な新しい試みを教育課程に取り入れてきました。文科省の教育プロジェクトなどを通じて、これらの新しい試みは学内外のさまざまな取り組みに発展しています。一方、研究面では、先導的教育研究を推進するために2004年独法化と同時に改革に着手し、2005年先導的融合工学講座(一専攻一講座制)を導入し、独立した教授・助教授(現、准教授)が自由な組み合わせで融合研究できる仕組みの中で、ロボット学、マテリアルサイエンスを始めとするさまざまな融合プロジェクト研究を自由自在に実施してきました。
このような知能・機能創成工学専攻の取り組みは新しい大学院教育と、融合型研究の実験場であったと言えますが、一貫して高い博士課程充足率を維持し続け、国内外の多様な分野で活躍できる優れた人材を輩出し続けてきました。
2020年4月の工学研究科の改組では、融合型教育研究を対象とした専攻を発展的に解消し、工学の基盤分野を網羅した専攻及び講座への再編がなされます。その一環で、知能・機能創成工学専攻及び先導的融合工学講座は廃止し、同専攻同講座が担ってきた教育・研究は、再編後の機械工学専攻及びマテリアル生産科学専攻にて発展的に実施することが定められています。また、知能・機能創成工学専攻で掲げてきた融合型教育研究の理念は、社会的ニーズや時代の趨勢に応じて機動的・柔軟に対応するために専攻・研究科の枠を越えて形成される研究グループ「テクノアリーナ」において発展させられる予定です。
設立以来の知能・機能創成工学専攻の研究・教育活動へのご理解とご支援に感謝申し上げるとともに、今後の在籍教職員・卒業生への変わらぬご支援をお願い申し上げます。
知能・機能創成工学専攻 2019年度専攻長
中谷彰宏