脳神経生理学

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[脳神経生理学]脳計測手法 -MEG-

MEG(脳磁図)はその名前が示すように,脳の磁場を測定し,その磁場を発生させている電気的な活動源の位置(脳の活性部位)を推定する装置である.開頭したり造影剤を投与する必要がなく,またfMRIと比べて騒音も少ないため侵襲の少ない測定が可能であるが,測定装置を直接頭に取り付けられないため頭の位置の補正が必要であったり,外界からの電磁波を遮蔽する部屋の設置及びその部屋からの電磁波発生機器の排除が必要となる.また,筋肉を動かすことでも磁場が発生し,測定データにノイズ(Artifactと呼ばれる)が乗るため,運動を抑制したり,適切なノイズ除去を施す必要がある. 詳しい解説が生理学研究所のサイトで公開されている.

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皮膚の構造

皮膚とは、表皮(epidermis)、真皮(dermis; Corium)、皮下組織(hypodermis)の三層を指す[1]。表皮と真皮を合わせて外皮と呼び、外皮の厚さは1mm~4mmである[3]。皮下組織を合わせた皮膚の重さは、全体重の概ね17%~19%である[3]。 表皮は、角層(corneous layer; Stratum corneum)、透明層(shining layer; Stratum lucidum)、顆粒層(granular layer; Stratum granulosum)、有棘層(prickle-cell layer)、基底層(base-cell layer)の5層からなり、血管を含まない[1]。角層は、軟ケラチン(soft keratin)より構成される[1]。有棘層と基底層を合わせて胚芽層とも呼ぶ。 真皮は乳頭層(papillary layer)と網状層(reticular layer)からなり、その組成はコラーゲンが約70%、エラスチンが0.6%~2.1%、ムコ多糖類が0.1%~0.3%である[1]。真皮は全体として0.3~2.4mmの厚さで,多くの場所では0.5~1.7mmdである[3]。乳頭層は繊細な線維を含み、毛細血管が入り込んでいる[1]。網状層には、表層に平行に走行し、皮膚を伸展させるとその方向に伸びるコラーゲン線維があり、それより細い弾性線維がその間に介在し、さらにそれらの線維間にはムコ多糖類の基質が存在する[1]。両層の境ははっきりしておらず,自然に移行しあっている[3]。 皮下組織である皮下脂肪層は、表層の小葉域(lobular area)と深層の間葉域(septal area)に分けられ、その間の膜を皮下筋膜(subcutaneous fascia)もしくは浅筋膜(superficial fascia)と呼ばれる[1]。腹部では表層はカンパー筋膜、深層はスカルパ筋膜と呼ばれている[1]。これらの層においては、真皮から垂直に伸びて脂肪塊を分離するコラーゲン線維による皮下支帯が形成されている[1]。浅層は外力に対する防御構造、深層は筋骨格の動作のための移動性構造であるとの主張もある[2]。脂肪層の厚さは頭円蓋・額・鼻で2mm,そのほかの場所では4~9mmであるが,ふとった人では30mm以上のことも稀ではない[3]。 [1]形成外科手術書 基礎編 鬼塚卓彌 [2] Anatomical study of subcutaneous adipofascial tissue: a concept of the protective adipofascial system (PAFS) and lubricant adipofascial system (LAFS). Nakajima H. et. al. 2004. [3] http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/Rauber-Kopsch/2-79.html

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GCOE「認知脳理解に基づく未来工学創成」第一回シンポジウム 聴講メモ

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language. 阪大基礎工学部の石黒浩先生を拠点リーダとする阪大GCOEプロジェクト「認知脳理解に基づく未来工学創成」の第一回シンポジウム.2009年8月24日開催. 阪大の鷲田清一総長の挨拶から始まり,石黒先生によるプロジェクトの概説の後,関連する分野の先生方の講演が行われた. 吉峰俊樹先生(医学系研究科)「脳科学と工学の融合:ブレインマシンインターフェースの可能性」 脳科学と工学を結びつける領域であるBMI研究の現状と,問題点,GCOEへの期待について講演された.吉峰先生はこれまで,硬膜上に電極を設置する侵収型BMIについて研究されている.この手法は,頭蓋の皮膚に電極を配置する非侵収型BMIに比べると,外科手術を要する分手間がかかり,衛生上の問題から長期に渡って使用することは現状では出来ないが,少ない電極で精度のよい意図推定ができるという大きなメリットがある.最新の研究成果として,運動野のあたりに四つの電極を配置し,それらの感知した脳波の変遷の組み合わせパターンから,グー,チョキ,パーの三種類の指の運動を0.5秒ほどの計算時間で推定できるシステムについて解説があった.このシステムの応用として,これら三種の運動を”しよう”と考えるだけでディスプレイ上のマウスカーソルを動かすシステムや,ロボットハンドを動かすシステムが紹介された(実際に指を動かさなくてもその意図が推定されるため,このロボットハンドは実際の被験者の指の運動よりも早くその運動をすることがある!).BMIの将来的な展望としては,運動機能や会話機能の不十分な方の支援装置といった,健常者の能力レベルへの能力補填装置としてだけでなく,同時・多言語翻訳や,大型ロボットの操縦など,健常な能力をさらに引き上げて超人間的な能力とするような装置にも応用が可能であるという.しかしながら,そのためには工学の技術やセンスがどうしても必要となるため,このGCOEプログラムはBMI研究にとって大きな期待ができると述べられた. 畑澤順先生(医学系研究科)「脳科学:脳機能イメージング」 阪大に設置されているMEGを用いて,認知発達に伴う脳活動の変化を調査し,認知症患者の脳には何が起こっているのかという問題について得られた仮説について報告された.MEGは非侵収で脳活動を三次元的・時間的に観察することを可能にする技術である.近年高齢者の認知症が大きな問題になっているが,一口に認知症といっても,物忘れがひどくなるといった程度の軽度認知症から,生活に支障をきたすほどの学習や注意などの認知能力の障害を引き起こすアルツハイマー型認知症など様々なものがあり,それらの問題を引き起こす直接の原因や障害部位は諸説あり,明らかになっていない.畑澤先生は,認知症が,小学生から高校生,そして成人にいたるまでの認知能力の発達過程を逆に辿るような過程を経ることから,これらの発達過程における脳活動の変化をみることで,認知症の問題部位についても検討することができるのではないかと考えた.観察の結果,主に記憶を形成するために働く部位である海馬のあたりに関して,小学生よりも高校生の方が活動が活発であること,また記憶に基づいて状況を判断するための部位である頭頂連合野のあたりに関して,高校生よりも成人の方が活動が活発である様子が見られた.このことから,軽度認知障害は,海馬機能に関する高校生から小学生への逆行であり,アルツハイマー型認知症は,頭頂連合野に関する,成人から高校生への逆行ではないかと考えられる.これらの推定は,脳機能イメージング技術の性能に大きく依存する.MEGなど既存の技術は,人の認知能力を詳細に知るためには時間的・空間的分解能が十分でないし,それらの能力の限界はその手法のイメージング対象(血流や磁場)によって決まってしまうため,これ以上の改善は望めない.したがって,この分野のさらなる発展のためには,新たなイメージング技術の開発が必要であると主張された. 藤田一郎先生(生命機能研究科)「脳科学:認知脳科学・システム脳科学の立ち位置と目指す方向」 脳の機能は,分子レベルから,シナプス,ニューロン,ネットワーク,マップ,システムを通じて中枢神経系のレベルに至るまで,様々なレベルの階層構造を持っており,それぞれのレベルに特有の問題が存在するため,これまではそれぞれ別々に研究されてきた.しかしながら,脳の持つ心や行動に関する能力を理解するには,これらをすべて一まとめにして考えることが必要である.藤田先生はこのような観点で見る脳のことを認知脳を呼び,研究をしておられる.今回の話は主に宣言的記憶に関するものであり,この能力を司る部位に関しては長年の論争があったが,最近では嗅周皮質と呼ばれる部位であるとして議論が落ち着きつつある現状について講演された. 苧阪満里子先生(人間科学研究科)「認知科学:行動記憶の認知科学」 記憶は長期記憶と短期記憶だけしかないと考えられがちだが,この他にも”行動を導く記憶”であるワーキングメモリと呼ばれるものもあり,これが人の認知において重要な働きをしている.苧坂先生は,ワーキングメモリに注目して,心に関する脳科学の分野の研究を行って折られる.この講演では,ワーキングメモリに基づく認知モデルや,その働きについて紹介された. 三浦利章先生(人間科学研究科)「認知科学:注意の認知科学」 実世界での応用や,社会への提言を意識した認知科学研究の重要性を指摘された.三浦先生は,車両の運転中における認知傾向についての研究を行っており,実際の運転中の有効視野や視点の移動量が,飲酒量とどのような関係があるかについて調査し,有効視野には広さと深さのトレードオフがあること,また軽度の飲酒時にはまず視野の移動量が減少し,さらなる飲酒で有効視野が狭まっていくことなどを確認された.その他には,有効視野の注意は,予測によって勾配を持つようだが,高齢者ではこの勾配の修正が遅いとの仮説や,注意の焦点の移動は,遠くから近くへは早いが,近くから遠くへは遅いというラバーバンドメタファー仮説について紹介があった.理系の科学者や開発者などは,このようなことを考慮せずにシステムを開発しがちであったり,飲酒運転を取り締まる法律も明確な根拠がなかったりするが,このような認知研究によって,具体的な助言が可能なのではないかと述べられた. 浅田稔先生(工学研究科)「ロボット学:認知発達ロボティクス」 仮説の検証が難しい心理学や脳科学の仮説を構成的に検証するためのロボット学の現状や,その研究価値を確立していく上での課題などについて説明された.ロボット研究者が,心理学や脳科学の知見に基づいてシステムを構築する場合には,それらの分野の知識を持たなければ説得力のあるものにはならない.従って,それらの分野の知識を得る場が必要であり,その意味で本GCOEの存在意義は分野をまたいだ教育にあるということを講演された. 中山康雄先生(人間科学研究科)「哲学:科学・工学のための哲学」 人間を知るための工学のあり方について,科学哲学の観点からの提言をされた.ある機能をもつシステムは,その動作主体(人間)だけに注目されがちだが,動作主体が作用を及ぼすための道具もその主体に含めて考えなければいけない(“主体の二重性”).このような観点で色々なシステムを見ると,そこにはシステムのフラクタル性とでも言うべき,主体の入れ子構造がある.このようなものとしてシステムを扱い,その構造を捉えて社会になじみやすいシステムを構築していくことが工学には求められるのであり,”心の本質とは何か”というような問題を直接扱うことはそれほど大事でない.すなわち,工学に求められるのは,未来に向かっての共生のモデルの提案であり,そのために行うべきことは,心の構成のメカニズムの解明と,設計的視点の導入による共同体構成の原理の解明であるということを述べられた. 茂木健一郎先生(ソニーコンピュータサイエンス研究所)「認知脳システム学への期待」 すぐに実用に結びつくような脳研究も大事だが,一方で意識といったような問題にも取り組んで行かなければならないということについて,いくつかの研究成果や関連するエピソードを交えながら主張された.茂木先生はクオリア問題を解決することをライフワークとされており,その解決のためにはこれまでの脳科学の研究成果を何らかの観点でまとめなおさなくてはならないという.そしてその観点として,規則性と不規則性が混ざった状態である”遇有性”に注目していることを述べ,その観点から自己認識の問題や自由意志の問題について紹介があった.これらの問題は人間の研究者だけでなく,知能ロボットを扱う研究者にも近い将来振るかかってくる問題であり,このような観点をもつ研究者が育つことを期待していると述べられた.

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[サーベイ]脳機能計測手法 – NIRS

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language. NIRSとは,近赤外光を利用して物体内部の状態を非破壊的に調査する手法のことであり,近赤外分光法(Near-infrared Spectroscopy)の略語である.近赤外線より高い波長の光(可視光)は生体への透過性が高くなく,またより低い波長の光は水に吸収されやすいために熱作用を起こしやすい[1].そのため,生体の内部を調査する上で近赤外光は適した周波数体にある.もともとは,農作物の非破壊検査法として発展してきたが,90年代頃から脳活動計測にも応用できることを示す実験結果が報告され始め,現在のNIRSを用いた脳機能イメージングである光脳機能測定(あるいは簡単にNIRSと呼ばれる)へと発展した[1]. 光脳機能測定とは,NIRSの技術を利用して脳内のヘモグロビンの酸素化状態の変化を測定し,画像化する手法である[1].これには,酸素化したヘモグロビン(oxi-Hb)と脱酸素化したヘモグロビン(deoxi-Hb)ではどの波長の光をどの程度吸収するか,という吸収係数が異なるという特性が利用されている[1].すなわち,複数の種類の波長の近赤外光を当て,それらの反射光を計測することで両者のヘモグロビン量と比率を連立方程式の解として求めることができる[1].脳部位のoxi-Hbは,血流の増加に応じて増加する(deoxi-Hbはわずかに減少する).そして,血流の増加は,神経活動に伴うものである(神経血管カップリング,あるいは脳循環反応と呼ばれる).したがって,NIRSは脳部位の神経活動の度合いを間接的に捉えることができる(NIRSは灰白質と呼ばれる脳表面の浅い部分の賦活を捉えている)[1].ただし,神経活動から血液量増加に至る詳細な機序は明らかになっておらず,また脳血流の増加範囲は神経活動の亢進した部位よりも広いという特徴があるために空間解像度は高くなく,ピンポイントの活動部位の議論には適さない[1].また,光源から出た光は様々なルートを介して検出器にまで戻ってくるため,一度の測定だけでは活動度を推定するのは難しい.そのため,あるタスクの前後の信号を計測し,それらの差を取るという工夫が必要となる[1].つまり,計測チャンネル間の比較や,非連続な経時データの比較にはある程度の論理的飛躍があるといわざるを得ない[1].しかし,空間的なデータの直接的比較は現在のところ極端な非合理性はないと考えられている[1]. また,「光トポグラフィ」という名称は日立メディコの光脳機能測定装置のことをさすことが多く,他の装置提供会社である島津製作所の装置は「近赤外イメージング装置」あるいは「fNIRS(functional NIRS)」,浜松ホトニクスのものは「マルチファイバアダプタシステム」という名称で呼ばれている.これらは,「光脳機能測定」や「NIRS」と言った名称で総称されることが多い. 他の脳機能計測手法と比較して,以下のような利点と欠点がある[1]. 利点: 1.被験者の体の位置や向きの制約がない(動作時でも計測できる) 2.大きな動作音がしない(聴覚刺激が影響する実験に有利) 3.無害な光で安全性が高い(繰り返し実験できる.乳幼児や老人にも使える) 4.操作するのに資格が必要ない(異分野でも手軽に使える) 5.比較的安価(/*いくらくらい…?*/) 6.操作しやすい(/*マニュアルみたい…*/) 7.時間分解能が高い(市販のものでも10fps) 欠点: 1.結果の解釈が完全には確立されていない(/*考察が難しい*/) 2.定量性がないとの批判がある(/*いかんともしがたい?*/) 3.空間分解能が低い(1~3cm程度) 4.速い神経活動の変化を検出できない(/*どんな情報なら得られるか?*/) 5.脳の血管障害などがあると,解釈が難しい(血流量と脳活動の関係が典型的でなくなるため) 6.脳深部の測定はできない(頭皮下2~3cmの皮質まで) 上記をまとめると,NIRSは,「自然な状態での被験者の大脳皮質の賦活反応性の時間経過を,非侵襲的で簡便に全体として捉えることができる検査」だといえる[1].そしてこれらの特徴から,精神疾患の臨床検査に適したものであると考えられている. 参考: [1]精神疾患とNIRS(福田正人,中山書店)

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[サーベイ]ニューロンのモデル

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language. 1.マカロック-ピッツのモデル(形式ニューロン) ニューロンを,0か1かの出力を取る論理素子としてモデル化したもの.ニューロンからでるスパイクの波形はほぼ一定で, 出るかでないかなので,この特性をモデル化したものといえる.出力は,入力の重みつき線形和を閾値関数に入れることで求められる. 2.発火頻度モデル 1のモデルが出力を「発火しているか,していないか」としているのに対して,スパイクの発火頻度を出力としたもの. 出力は,入力の重みつき線形和が,もしくはそれをシグモイド状の関数に入れることで求められる.これは,感覚刺激や運動出力の強さが,スパイク周波数とほぼ比例した関係にあることに基づいたモデル化であり,後者のものは,刺激を強くしてもスパイク発火頻度は飽和するという特性も考慮している[1]. 3.スパイクタイミングモデル 2のモデルでは発火頻度自体を出力変数として扱っているのに対して,このモデルでは発火頻度に応じた確率でスパイクが出力として生成するものである.すなわち,ニューロンや回路のより細かい時間スケールの振る舞いをモデル化したものである.最も基本的なものはポアソンスパイクモデルであり,これはポアソン分布に従ってスパイクの出力が決定されるものであり,大脳皮質ニューロンをよく近似すると言われている[1]. 4.積分発火モデル 3のモデルは,過去の発火履歴によらず発火が決まるが,実際のニューロンでは一度発火するとその後数ミリ秒は発火しないという特性がある.この積分発火モデルは,この特性を表現できるものであり,発火すると膜電位がある負の値にリセットされ,その後入力の積分によって膜電位が上昇し,それがある閾値を超えるとスパイクを発火する,というものである. 5.ホジキン-ハクスレーのモデル 上記四つのモデルは実際のニューロンの発火を決める膜電位がどのようにして上昇し,また下降するか,ということを考慮していない.このモデルは,ニューロンの細胞膜をコンデンサ,イオンチャネルを動的な抵抗素子として考え,それらのチャネルを通じた各種イオンの流入量が正帰還,あるいは負帰還的な相互作用によって変化し,その結果膜電位がスパイク的に変化する,という様子を模したものである. 6.フィッツフュー-南雲のモデル 5のモデルは4つの非線形微分方程式で表され,振る舞いの予測が解析的に難しいものであったため,それを基本的な特性を残したまま簡素化したものがこのモデルである.二つの微分方程式で表現される.ファン・デル・ポール方程式の特殊な場合である[2]. 7.コンパートメントモデル 5のホジキン-ハクスレーモデルでは,細胞膜が一つのコンデンサとしてモデル化されていたが,実際には細胞体と樹状突起の異なる場所では膜電位は異なる[1].そこで,細胞を複数の電気化学的コンパートメントの集合体として考えたものがこのモデルである.複雑だが,スパイクの幅の変化なども表現でき[1],より生理学データに即したパラメータ設定が可能である. 参考: 1.計算神経科学への招待(銅谷賢治,サイエンス社) 2.フィッツフュー-南雲モデル -Wikipedia-

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[サーベイ]神経系-中枢神経系-脳-脳幹

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language. 広義の脳幹(Brain Stem)は、間脳、中脳、橋、延髄を含む。視床と視床下部から構成される間脳を除外した部分は狭義の脳幹と呼ばれる。大脳と脊髄の間で両者を繋ぐ部位であり、反射機能や無意識の動作調整、ホメオスタシスの維持のための自律神経系や内分泌系の調整を行っている。間脳、中脳、橋、延髄の順で大脳に近い。 間脳にある視床は、視覚、聴覚、体性感覚、内臓感覚々の感覚情報を受け取り、大脳など他の部位にそれらの情報を中継する役割を果たしている(嗅覚は例外)。視床下部は、視床からそれらの情報を受け取り、反射的に情動系(自律神経系や内分泌系)に操作を加える(内臓-内臓反射、体性-内臓反射等。視床下部が行っているのは統合的な指令であり、呼吸運動や血管運動などの個々の自律機能は中脳以下の部位が行っている)。視床下部はまずこの反射によって特定の刺激に対して素早く体の状態を準備させる。その一方で、視床に集まった情報は辺縁系にも送られ、情報の価値判断が行われる。この価値判断は生得的なものと後天的なものがあるが、この判断の結果も視床下部に送られ、情動系の操作に使われる(辺縁系には大脳皮質からの情報も送られてきており、より高次の情報処理結果の価値判断もなされ、情動操作に影響する)。 中脳(Midbrain)は姿勢反射(例えば、足裏への刺激で足を支える筋肉が緊張する等)やサッケード、光に対する縮瞳反射、輻輳反射などの反射的な運動調節機能を担う部位。いくつかの歩行パターンを切り替える中脳歩行誘発野(MLR)もあり、脊髄や小脳と連携した歩行制御モデルが提案されている[1]。 橋(Pons)は、大脳皮質からの運動出力を小脳に伝える役割(/*これが小脳の運動逆モデル利用のルート?*/)と、三叉神経や顔面神経などを介して一部の運動指令を体に伝える役割を持っている。 延髄は、嘔吐や嚥下、唾液、呼吸、循環、消化などの基本的な定型行動を出力する機能を持っている。 [1]高木草薫, 歩行の神経機構, 2007

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[サーベイ]神経系 – 中枢神経系 – 脳 – 辺縁系

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language. 大脳辺縁系(limbic System)は、帯状回や海馬体を含む大脳の辺縁皮質と、扁桃体、乳頭体、側坐核を含む核、そしてそれらを連絡する脳弓などの神経線維から構成される。視床下部も辺縁系に含まれることがある。 帯状回(cingulate gyrus)は、視床や、大脳皮質の体性感覚皮質と連絡している。また、大脳辺縁系の各部位を結びつける役割も果たしている。帯状皮質(cingulate cortex)とも呼ばれる。 前帯状皮質は、報酬の予測に基づく運動意志決定や、共感などの認知機能に関わっている。 海馬体(hippocampal formation)は、歯状回や海馬、海馬台などから構成されるが、慣例としてこれら全体を海馬(hippocampus) と呼ぶこともある。PTSDやうつの患者では海馬の萎縮が確認される。海馬体には、場所細胞のような世界を認識する地図が形成されており、これらのユニットの組み合わせで現在の状況を表象していると考えられる[1]。これらの表象は一時的なものであり、大脳皮質での長期記憶が形成されるまでの短期記憶バッファであるとも考えられている[1]。 扁桃体(amygdala)は、視床から送られてくる刺激情報の価値判断を行い、(1)古典的条件付けによる情動の学習や、(2)長期記憶形成の調節、(3)情動の喚起に関わっている。扁桃核とも呼ばれる。 (1)については、負の条件付け、あるいは正の条件付けによって刺激と情動の関係を学習する。(2)については、学習される出来事の後の情動の喚起が強いほど、記憶が強く固定化されるといわれる。(3)については、視床下部への連絡があり、(1)の学習の結果として刺激に応じた情動が喚起されるようになる[2]。視床下部や、大脳皮質からも刺激情報を受け取り、価値判断を行っている[3]。 側坐核(nucleus accumbens)は、扁桃体や視床下部を通過した情動刺激や腹側被蓋野を経た、快感や満足感につながる刺激を受け、ドーパミンを放出する[2]。ドーパミンは快の感情を引き起こし、基底核線条体での強化学習の報酬となると考えられている[3]。 乳頭体は?? [1]海馬の基礎知識(http://gaya.jp/research/hippocampus.htm) [2]脳と心のお話(http://www.brain-mind.jp/newsletter/04/story.html) [3]ドーパミンと側坐核の情動コントロール回路(http://www.blog.crn.or.jp/report/04/65.html)

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[サーベイ]神経系 – 中枢神経系 – 脳 – 基底核

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language. 大脳基底核(basal ganglia)は、大脳皮質や、辺縁系、あるいは脳幹との連絡を行う種々の経路を持ち、意識的運動の実行の調整や無意識的行動の調整まで幅広い運動の調整を行う部位である。報酬の予測と行動学習に関係している[3]。連絡経路には大きく分けて、大脳皮質-基底核ループと、基底核-脳幹系投射がある。 前者のループには、皮質運動野、前頭前野、前頭眼野、辺縁皮質のそれぞれから入力を受け、視床を介して情報を戻す経路を持つ、運動系ループ、前頭前野系ループ、眼球運動系ループ、辺縁系ループがある。これらのループ間には神経的連絡が乏しく、並列回路だと考えられている[1]。運動系ループは運動の準備や運動量や速度の調整に関わっており、前頭前野系ループは意志の発動や注意に、辺縁系ループは認知情報の評価や情動の表出、意欲などに、眼球運動はサッケードの発現などに関与する[2]。前頭前野ループや辺縁系ループによる行動プログラムの評価によって、運動系ループの出力が変化し、随意運動の実行が調整されると推定される。 基底核-脳幹系投射は、生得的な運動パターンの調整に関与する。大脳皮質-基底核ループで構成された運動プランを受け、それらが適切に行われるように無意識の運動調整がこの投射によって行われていると推察される[2]。 皮質からの投射を受ける線条体は、予測を考慮した報酬を表象していると思われる中脳のドーパミンニューロンへの投射と、そこからのフィードバックを受け取っており、この経路を利用した強化学習を行っているのではないかと考えられている[3]。 [1]大脳基底核 – wikipedia [2]高木草薫、大脳基底核の機能(http://wwwsoc.nii.ac.jp/psj/jpsj/065045/0650450113.pdf) [3]銅谷賢治、大脳基底核と報酬予測 (http://www.cns.atr.jp/~doya/naist/mathsci/icns07.pdf)