アンドロイドロボットの研究開発 | 石原尚

アンドロイドロボットがどんなものかは容易に想像できる一方で,うまく造りあげるための方法論は確立されていません.特に,表現力や感知力といった他者との関係構築における基本かつ重要な機能が高機能化できないままになっています.その要因の一つは、アンドロイドの特徴でもある柔らかい被覆の取り扱いの難しさにあります.人の皮膚のように多彩な表現力や感知力を備える高機能被覆を実現するには,既存デバイスの単純加算ではない,新しい発想のデバイス開発が必要です.また,その被覆を効果的に活用するには,身体的な触れ合いが人とロボットの関係を変える機序も明らかにしなければいけません.

そこで,子ども型アンドロイドロボットAffettoの開発を軸に,工学に留まらない学際的な研究によって上記課題の解決に取り組んでいます.表現力と感知力を十分に高めた子ども型アンドロイドの実現は,これまで取得困難であった,触れ合いで交わされるデータを主観視点で能動的に収集する手段を得ることを意味します.このようなデータに基づいて触れ合いの理解が進めば、人とうまく触れ合うためのやり方を人工知能に学ばせる方法論が見出され、人との関係性をうまく調整して効果的に働きかけられるロボットの実現に繋がると期待しています.

研究のフォーカス

  • 柔らかい素材と硬い機械のハイブリッドシステムとしてのアンドロイドロボット
  • 人工知能と人を結ぶ,感知力と表現力に優れる生物様のユーザーインターフェースとしてのアンドロイドロボット
  • 人との感情豊かな触れ合いで交わされるデータ収集装置としてのアンドロイドロボット

中心的な研究課題

  • 感知力と表現力に優れる柔らかい体はいかにすれば実現できるか
  • そのような体の性能はどのように評価すればよいか
  • そのような体を用いて人とのインタラクションをどのように制御するか

研究テーマ

(A)骨格の研究、(B)被覆の研究、(C)表情の研究、(D)触れ合いの研究、(D)機械学習の研究の5つのカテゴリーで研究を進めています。上のメニューの「研究テーマ」に解説記事を,また「研究業績」に全論文リストを記載しています.学生さんの卒論・修論のタイトル一覧はこちら

(A)骨格の研究

子ども型アンドロイドロボットAffettoの上半身のCAD図(2011年式).空気圧で柔らかく動作する.

(B)被覆の研究

肉厚柔軟層に配線や固形物を含まない感度の良い触覚センサ.耐久性と感触に優れる.

(C)表情の研究

表情は三次元流れベクトル場として定量化できる.このベクトル場の解析を通じてアンドロイドの顔の表現力向上を図る.

(D)触れ合いの研究

人は触れることで相手の内部状態や性格を推し量る.このことは,ロボットの表面が内部状態や性格印象の呈示装置となり得ることを意味する.

(E)機械学習の研究

人(親)の反応の癖を利用して振舞を人のそれに近づけていくロボットの学習の仕組み.人の認知バイアスが学習を収束に導く.

研究資金と年度推移

2017年度はJSTさきがけ(年間1,200万円)及び大阪大学知の共創プログラム(年間215万円)の資金援助を受けています.下のグラフに,これまでに獲得した競争的資金の年度推移を示しています.PIは研究代表者として,Co-Iは分担研究者として得たものです.詳細は上部メニューの「プロフィール」に記載しています.

研究業績の推移

原著論文(査読中),原著論文,学会論文(査読無),学会論文(査読有),受賞,解説・コメント論文,招待講演についての件数の推移です.

研究技術ブログ記事

研究遂行に必要な技術を学生さん向けにまとめた記事です.目次へは上の「研究技術ブログ」のメニューか,ここのリンクから飛べます.

工学技術ブログ記事

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脳神経科学メモ

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