研究基礎力

研究の技術や工学系Tisp,その他研究上必要になった情報のメモを載せています.

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研究基礎力(論証・反論・要約・推敲・論述・発表)を身につけよう

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language. 研究というのは,自分が信じる結論を主張し,意義を示し,成果を明らかにし,結論の妥当性を認めてもらう作業です.したがって,様々な場面で「説得力」が求められます.この記事では,説得力を高めるのに必要な6つの基礎的な力について学ぶためのスライド資料をまとめます.

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上手に説明と議論をするために論点を操る方法 -基本的な知識とコツ-

説明が相手にうまく伝わらない,議論でよい意見が出せない,想定しなかった質問ばかりくる,質問に答えたはずがちゃんと答えろと怒られる…といったように研究のコミュニケーションがうまくいかない状況にある場合,「話の論点」をうまく操れていない可能性が高いです.この記事では,まず,論点を操る上で知っておかなければならないことを紹介した上で,論点を操れないとなぜダメなのかを解説します.そして最後に,それを操るための基本的なコツについてまとめます. 知っておくべき論点の特徴 ①話には必ず話題の中心となる論点がある まず,話には必ず論点がある,ということをしっかりと認識しておきましょう.発表中の説明,議論の場での意見,質疑応答,雑談,など,どんな場面での話にも必ず「今何について話しているのか」という論点が存在します.論点は話題の中心であり,この中心から話がそれて散らばっているほど「話が発散している」という状態になり,逆に中心に固まって話がなされているほど「密な話ができた」という状態になります. ②論点は解消されうる疑問文で記述できる さらに論点は,「AはBなのか否か」「AはなぜBなのか」など,Yes/Noを問う単純疑問文や5W1Hの疑問文で記述できるものとして捉えることができます.「話に納得できた」というのは論点である疑問が解消されたことを意味します.「なんだか腑に落ちずにモヤモヤする」というのは論点が解消されないままでいることを意味します. ③論点は移り変わる 次に認識しておくべきことは,放っておくと論点は勝手に移り変わっていくものだということです.雑談の場面を想像してみてください.朝のニュースでみたサッカーの試合の結果について友達に話しかけたものの,そこから話が弾み,活躍した選手の話,選手と似た芸能人の話,その芸能人の過去についての話など,思ってもみなかった話に発展していくことが多々あるはずです.複数の人がいる場合,話題の中心はこのようにふらふらと移り変わっていってしまうのです. ④話している相手と論点は必ずしも一致しない 認識しておくべき最も重要なことは,自分の論点と相手の論点は同じとは限らない,ということです.同じものを見たり聞いたりしたときでも,人によって全く別のことを考えたり疑問や意見を持ったりするように,同じ発表スライドを見たり,同じ説明を聞いたりした場合でも,人それぞれに疑問や意見を持ちえまず.このことを前提として把握しておかなければ,効果的で効率的なコミュニケーションを実現することはできません. 論点を操れないとダメな理由 上記のような論点の特徴を知った上でうまく操れなければ,雑談ならともかく研究活動の大抵の場面では,以下に挙げたような問題が生じます. ①説明が効果的でなくなる 一生懸命丁寧に説明しているはずなのに相手に話を納得してもらえない,という悲しい状況になります.これは,相手と自分の論点が食い違っていることが大きな要因の一つです.自分の論点(自分が答えようとしている疑問)に対する説明であっても,相手の現在の論点(解消したい疑問)の答えとなる説明でなければ納得感を与えられないのは当然です. ②質問の質が悪くなる 「そこは大事なポイントじゃないのに…」「なんでそんなことを聞いてくるんだ…」といったように感じてしまう質問が増えてしまいます.また逆に自分もそのような質問をしてしまうことになります.これは,相手が自分と違う論点を持ってしまうことで起こります.意見や質問の質の良さは,論点がどこにあるかで違うのです.自分にとっては大事でなく意味の分からない発言だと感じた場合でも,相手にとっては大事で意味のある発言だということは往々にしてあります. ③質問にうまく答えられなくなる 何を聞かれているのかわからずに回答に困ってしどろもどろになる,という苦しい状況になります.これも,相手が自分と違う論点を持ってしまっている証拠です.相手の論点が分からないから,質問の意図が分からず,効果的な答えも導き出せないのです. ④建設的な意見をもらえなくなる 発表はしたものの質問がない,意見を募ったものの誰もいい意見を出してくれない,といった状況になります.相手は意見を思いつけないのではありません.論点をどこに設定すべきかに悩んでいるのです.論点が定まらなければ,効果的な質問や意見は決められないので,当たり障りのない雑談的な発言しかできないのです. ⑤良い評価をもらえない せっかく長い時間かけて研究した成果について必死に論文を書き,発表資料を作ったのに,いい評価がもらえないという残念な状況になります.これは,自分が設定して努力を注ぎ込んできた論点が相手に伝わっておらず,相手が別の論点を設定し,その観点から評価を行ってしまったために起こります. ⑥不毛な議論が続く いつまでたっても議論が終わらない,議論をしたものの何も得られなかった,という状況になります.議論を収束させて実りを得るためには,回答を見つけるべき本当の論点に近い話が密に為されていることが必要です.1つの論点に話を引き戻そうとすることなく,また無自覚に論点を移り変わらせてしまっていると,話は発散するばかりです. ⑦怒られる そして怒られます.そのつもりもないのに,論点をすり替えるな,とあらぬ疑いをかけられてしまうかもしれません.もしくは,今はそんな話をしてるんじゃない,と言われてしまって困惑してしまうかもしれません.このような不幸は,自分で自分の論点を見失っていたり,相手の論点を正確につかめていないことから生じます. 論点を操るための方法 上記のような状況に陥らないための対策として,以下のような3つの論点操作方法が挙げられます. ①論点は常に明確に把握しておく 自分が話をするときでも,相手の話を聞くときでも,常に論点が何かを明確に把握しておきましょう.どんな疑問に答えようとするのかという論点を決めておけば,何をどのように説明するのが効果的なのか判断することができます.相手の質問をよく理解できず返答に困った場合でも,相手の論点を確かめることによって適切な答えを導き出しやすくなります. ②論点から話が逸れないようにしよう 論点を明確にしていれば,説明の質の高さを見定めることができます.その「論点に対する答え」が最も質の高い説明であり,その答えから遠ざかるほど,その論点においては質が低いものだということになります.自分が話をするときには,質の高い発言を心がけましょう.相手の発言が論点から離れている場合には,論点を再確認して互いに質を向上できるようにしましょう. ③論点を解消してから次の論点に移そう 建設的な議論とは,多くの論点が次々に解消されていき,最終的に最も重要な論点の解消に辿りつくものです.また,丁寧な説明とは,今の論点は何か,その答えは何か,そして次に何が論点となるのか,の3点が論理的且つ明快に述べられているものです.論点の解消なしに次の論点に移さないようにしましょう.こっそりと論点を変えるのもだめです. まとめ この記事では,論点を意識して操ることがいかに重要かを説明し,気をつけるべき基本的なポイントを紹介しました.プレゼンテーションで論点を操る具体的な方法を下の記事で紹介していますので,そちらも参考にしてください..

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「結論から話せ」と言われたら -相手に合わせた結論の定め方-

研究やビジネスの場面では「つまりどういうことか.まず結論から話せ」と口酸っぱく言われることになります.これは結論ファーストと呼ばれるもので,時間が無い中で効率的に議論を進めるために効果がある方法です.しかし,何が結論になるかは一意に決まるものではなく,相手に合わせて柔軟に決めるべきものであるため,実行はそう簡単ではありません.この記事では,まず,なぜ相手に合わせて結論を定める必要があるのかを解説した上で,相手の「今抱えている疑問や懸念」「行動判断基準」「感情の動き」を考えて結論を定める方法を紹介します. 同じ説明でも響くかどうかは相手次第 まず前提として意識すべきことは,あなたが同じ説明をしたとしても,その説明が効果的に伝わるかどうかは相手次第だということです.あなたが「これが結論だ」と考えた説明内容でも,相手は「聞きたい結論はそれじゃない」と考えることはよくあるのです.これが,結論から話すのが難しい原因の一つです. 例えば,世の中には広告や宣伝、新聞記事や論文など沢山の説明で溢れていますが、あなたが興味関心をそそられてより詳しく知りたいと思うのはほんの一部ですよね.興味を持たなかった説明は,あなたにとっては重要でなく,記憶にも残らず,とるにたらないものだと認識するはずです.「聞きたい説明はそれじゃない」とあなたが判断したということです. 相手に「響く」説明とは 相手に響く説明をするには,相手の立場や現状に合わせた説明をしなければいけません.あなたがその時におかれた立場や状況によって興味や関心が変わるように,相手もそうなのだと考えないといけません. あなたが興味や関心をそそられる説明とは何でしょうか.それは例えば,「今まさに求めている情報」であったり,「次の行動判断の決め手となる情報」であったり,「気持ちを動かされる情報」を含んだものであるはずです.相手にとってもそうなのです.これらの情報を含めることによって、あなたの説明は相手に「響く」ようになるでしょう.以下では,このような情報を説明に含ませるための方法を解説します. 方法①相手が抱えている疑問や懸念への答えを与える 1つ目の方法は,相手がどのような疑問や懸念を抱えているかを把握し,それの答えとなる情報を結論とする方法です.つまり,相手が現在抱えている論点に合わせる方法です. 質問をしてきた相手に対しては,その論点を見定めるのは簡単です.その質問それ自体が目下の論点であり,その答えが伝えるべき結論です.AかBかを聞かれたら,「Aです」「Bです」「どちらもです」「どちらでもありません」「判断がつきません」などです.なぜそのような答えになるのか,その答えをより丁寧に言い換えるとどうなるのか,ということはその結論の後に説明すればよいでしょう. 上司や同僚に対して行う各種報告の場面では,少し難しくなります.もし事前に「これがどうなっているか調べて欲しい」という質問形式で指示が与えられていた場合には,「こうなっていました」という答えを結論とすればよいでしょう.しかし,そのような具体的な指示のなかった予想外の出来事を報告する場合などには,相手が心配しそうなこと,判断に困っていること,責任を抱えていることなど,相手にとって重要な論点を正確に把握した上で,その論点に直接突き刺さる内容を結論とすべきです.例えば,ある機械のねじが緩んでいることを発見した場合,安全管理の責任を抱えている相手(安全かどうかが論点)には「危険な事態が起こっています」,機械を設計した相手(設計が完璧かどうかが論点)には「設計に不具合がありそうです」,機械を利用している相手(機械が問題なく使えるかどうかが論点)には「しばらく使えなくなる可能性があります」という内容を結論とすべきです. 方法②相手に行動判断の根拠を与える 2つ目の方法は,相手にしてもらいたいことを結論とする方法です.機械のねじが外れているのを発見した場合,安全管理者に対しては「使用を禁止して修理に回してもらいたい」,設計者に対しては「壊れないように設計を見直してほしい」,使用者に対しては「使えないことを見越して計画を修正してほしい」という行動をしてもらいたいと考えることができれば,まずはそれを伝えればよいでしょう.その結論を言われた相手は,自分の行動決定の判断に影響する情報が来たぞ,という明確な信号が得られるため,「それがどうした?」ではなく,「わかった.じゃあそれはなぜだ?詳しく聞かせてくれ.」という本心からの発展的な質問を投げかけ返してくれることでしょう. 方法③相手の気持ちに訴える 3つ目の方法は,相手にの気持ちをどう変化させたいかを考えて結論を考える方法です.相手に喜んでもらいたいのであれば,「嬉しい報告があります」を結論とすればよいし,相手に悩んでもらいたいのであれば,「困ったことになりました」というのを結論にすればよいでしょう. まとめ 「抱えている疑問や懸念に対する答え」「行動判断の根拠」「気持ちの動き」の3つを考えて結論を定める方法を紹介しました.これらのいずれかだけでなく,すべてを同時に考えて伝えるべき結論を深く検討することが最も効果的です.また,普段から相手の論点を探り,「この人はこのことを気にかけているのか」「このことを大事にしているのか」ということを把握しておくことも必要です.下記のサイトも参考にしました. 結論から話す人になるコツと練習法【アンサーファースト】

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説得力のある説明をするためにピラミッド図を意識しよう

説得力のある説明がうまくできずに苦労してはいませんか.自分の主張に納得してもらえなかったり,反論に負けてしまったりする根本の原因は,「主張を支える論理の構造が相手よりもうまく見えていないために十分な理論武装ができていない」ことにあります.この記事では,キビ団子を作るように桃太郎がおばあさんを説得する場面を想定した例を挙げて,論理の構造を図形として捉えることで,説得力の強さや論理の穴を把握し,より反論に耐えられるように説得力を高める方法を紹介します. 主張したい内容を頂点とするピラミッド図を書いてみる 今回紹介する方法は「ピラミッド図」を書くというものです.これは,事実や意見,解釈など一つ一つの説明項目を四角い石に見立て,ある石が他の石の説得力を高める説得材料になっている場合は,その石の上に他の石が乗っているとみなして図にするというものです.複数の根拠で主張を支えた場合,項目の並びが全体として三角形となるため,ピラミッド構造と呼ばれているようです. このピラミッド構造の図は,説明の論理構造を反映した図です.下の例を見てください.「鬼退治を成功させたいのでキビ団子を作って欲しい」という要求をおばあさんに強く訴えるためにももたろうが考えた(であろう)ピラミッド図です.説明要素が石のように積まれていること,下段が上段の説得材料になっていること,上段から下段には「だから」の論理があり,下段から上段には「なぜなら」の論理があることを確認してください. ピラミッド図を使えば説明は簡単 上記のようなピラミッド図が書ければ,説明は簡単です.下から読んでも上から読んでも論理だった説明ができます.下から上へ読んだ例と,上から下に読んだ例を挙げます.上のピラミッド図も参照してください. ピラミッド図を下から上へ読んだ例: 鬼襲来の抜本対策が必要で,今が反撃の好機です.だから,鬼退治に行かないといけません.また,村には戦力がなく,動物はキビ団子に目がありません.だから,戦力確保にはキビ団子が有効です.だから,鬼退治を成功させたいので,キビ団子を作って欲しいのです. 上から下へ読んだ例: 鬼退治を成功させたいのでキビ団子を作って欲しいのです.なぜなら,鬼退治に行かないといけなくて,戦力確保にはキビ団子が有効だからです.鬼退治に行かないといけないのは,鬼襲来の抜本対策が必要で,今が反撃の好機だからです.また,戦力確保にキビ団子が有効なのは,村には戦力がなく,動物はキビ団子に目がないからです. ピラミッド全体の形状で論理の強さが把握できる ピラミッド図のよいところは,石を積んで組み上げるピラミッドとしてどのくらい崩れにくいものかをみることで,頂点の主張がどれくらい反論に耐えられる説得力を備えているかを判断できるところです.上の石が複数の石で支えられている高密度で多段のピラミッドであるほど,より強い反論に耐えられます.対して,上の石を支える石が少ない,スカスカで低いピラミッドは,少しの反論で崩れ落ちます. 例として先に挙げたピラミッド図をみてみましょう.これは,上段が2つの石で支えらている3段のピラミッドであり,多少の反論には耐えられます.例えば,最下段の石の1つである「今が反撃の好機」という説明に対して,「今は特に好機ではない.なぜなら~」と反論されて石が取り除かれてしまったとしても,「抜本対策が必要」という石は残っていますので,「それでも,抜本対策が必要であるのには代わりがないので,鬼退治には行かなければならないのです」という説明はまだ有効なままです. 対して,下のピラミッド図をみてください.これは,「鬼退治に行かないといけない.だから,鬼退治を成功させたいのでキビ団子を作ってほしい」というシンプルな説明です.1つの石でしか最上段の石を支えていないので,ピラミッドとして大変不安定です.例えば,「鬼退治に行ったって負けるんだから,行かなくていい」という反論を食らってしまったら,最上段を支える唯一の石がなくなってしまいます.そうなると,「鬼退治を成功させたいのでキビ団子を作って欲しい」という説明は全く説得力がなくなります.さらに,2段目がスカスカなので,最上段も直接反論されてしまいます.例えば「鬼退治に行かないといけなくて,鬼退治を成功させたいのは分かったけど,キビ団子なしでもやれるはず」という反論も許してしまいます.このように,どっしりとした三角形でなければ,反論に耐えることが難しくなるのです. 支える石を増やし,段数を増やせば反論に強い説明ができる ここまでの例で示したように,ピラミッドは段数が多く,また一つの石が多くの石で支えられている方が,反論に強い,高い説得力のある説明ができる,ことになります.したがって,ピラミッド図を書いたら,下層で支える項目が他と比較して不足している項目がないかを調べましょう.階層が浅いところがないか,階層の枝分かれが少ないところがないかを確認して,最低でも2つか3つの項目で支えられるように根拠となる事実や解釈を追加していきましょう. 最初の2分岐2段のピラミッドの例でも,もっと支える石の数と段数を増やすことができます.下の図は,もともとあった緑色の石に加えて,オレンジ色の石を加えた例です.3つの石で支えられた,より安定した石が増え,段数も4段に増えています.この強化によって,「じゃあキビ団子を買ってくればいいじゃないか」という反論や,「動物にキビ団子を与えたって戦力にはならないだろう」という反論に対する抵抗力が増しています. まとめ 説得力の高い説明ができる人は,頭の中でこのピラミッド図をイメージすることができています.そして,事前にピラミッドを強くしてから,説明に臨んでいます.最初はピラミッド図を実際に書き出してみることから始めましょう.そして,ピラミッドを十分安定したものになるように石を増やしてから,説明に臨むようにしましょう.それを続ければ,書き出さなくても頭のなかで論理の構造を把握できるようになるでしょう.下記のサイトを参考にしました. [実況]ロジカルシンキング教室 グロービス ロジカルライティングの論理的思考を手助けする「ピラミッド構造」とは?

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「空・雨・傘」の論理的3点思考で発表や報告に強くなる

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language. 問題解決のための論理的思考法として「空・雨・傘」の三点で思考する方法が多くのビジネス関連の書籍や記事で紹介されています.この思考方法を身につけておけば,報告や発表の場面で「なんでそうしたの?」「それで,どうするの?」「なんでそう言えるの?」のような質問を相手に言われないようにしたり,即座に答えられるようになるため,是非とも身につけたい技術です.この記事では,この「空・雨・傘」の思考法について紹介します.