[サーベイ]神経系 – 中枢神経系 – 脳 – 辺縁系

大脳辺縁系(limbic System)は、帯状回や海馬体を含む大脳の辺縁皮質と、扁桃体、乳頭体、側坐核を含む核、そしてそれらを連絡する脳弓などの神経線維から構成される。視床下部も辺縁系に含まれることがある。

帯状回(cingulate gyrus)は、視床や、大脳皮質の体性感覚皮質と連絡している。また、大脳辺縁系の各部位を結びつける役割も果たしている。帯状皮質(cingulate cortex)とも呼ばれる。 前帯状皮質は、報酬の予測に基づく運動意志決定や、共感などの認知機能に関わっている。

海馬体(hippocampal formation)は、歯状回や海馬、海馬台などから構成されるが、慣例としてこれら全体を海馬(hippocampus) と呼ぶこともある。PTSDやうつの患者では海馬の萎縮が確認される。海馬体には、場所細胞のような世界を認識する地図が形成されており、これらのユニットの組み合わせで現在の状況を表象していると考えられる[1]。これらの表象は一時的なものであり、大脳皮質での長期記憶が形成されるまでの短期記憶バッファであるとも考えられている[1]。

扁桃体(amygdala)は、視床から送られてくる刺激情報の価値判断を行い、(1)古典的条件付けによる情動の学習や、(2)長期記憶形成の調節、(3)情動の喚起に関わっている。扁桃核とも呼ばれる。 (1)については、負の条件付け、あるいは正の条件付けによって刺激と情動の関係を学習する。(2)については、学習される出来事の後の情動の喚起が強いほど、記憶が強く固定化されるといわれる。(3)については、視床下部への連絡があり、(1)の学習の結果として刺激に応じた情動が喚起されるようになる[2]。視床下部や、大脳皮質からも刺激情報を受け取り、価値判断を行っている[3]。

側坐核(nucleus accumbens)は、扁桃体や視床下部を通過した情動刺激や腹側被蓋野を経た、快感や満足感につながる刺激を受け、ドーパミンを放出する[2]。ドーパミンは快の感情を引き起こし、基底核線条体での強化学習の報酬となると考えられている[3]。

乳頭体は??

[1]海馬の基礎知識(http://gaya.jp/research/hippocampus.htm)
[2]脳と心のお話(http://www.brain-mind.jp/newsletter/04/story.html)
[3]ドーパミンと側坐核の情動コントロール回路(http://www.blog.crn.or.jp/report/04/65.html)

ピックアップ記事

関連記事