ゴム,ゲル,エラストマの違い

工学・情報学メモ

ゴム,エラストマ,ゲルの意味の違いが曖昧だったので調べて整理した.

まず,狭義のゴムは,ゴムの樹の樹皮を傷つけて分泌する液であるラテックスを固めた生ゴム(天然ゴム)[1].ただし,原油の精製によって天然ゴムと似た物理化学的性質を持つように作られた合成高分子化合物である合成ゴム[6]を含めた定義が一般的である.架橋によって高伸長性と小さな弾性率を得る(いわゆるゴム弾性)[7].したがって,ゴムには必ずしもゴム弾性があるとは限らない[5].

エラストマはゴム弾性を有する工業用材料.架橋によって弾性を得た天然ゴム,合成ゴムを含む.一度硬化させると軟化状態と硬化状態を切り替えることが難しい熱硬化性エラストマと,熱を加えていくと軟化するが冷やすともとにもどる熱可塑性エラストマがある[2].天然ゴムと合成ゴムは熱硬化性エラストマに分類される[3].

ゲルは,液体の分散媒中で分散質が網目状に繋がって流動性を失ったもの.ゴム弾性を備えるものはエラストマゲルと呼ばれる.分散媒を通常乾燥によって失ったものはキセロゲルと呼ばれ,超臨界乾燥によるものはエアロゲル,また凍結乾燥によるものはクライオゲルと呼ばれる[4].分散質が高分子であれば高分子ゲル,分散媒が水であればヒドロゲル,有機溶媒であればオルガノゲル,アルコールであればアルコゲルと呼ばれる.

つまり,

  • 天然ゴム,もしくはそれと似た性質を持つように原油から作られた合成ゴムの総称がゴムと呼ばれる
  • ゴム弾性を有するものがエラストマであり,架橋されたゴム,エラストマゲルを含む.ゴムと同義ではない
  • 分散媒中で網目構造を作ってできたものがゲルであり,エラストマゲル,キセロゲルを含む.必ずしもゼリーのように柔らかかったり,ゴムのような弾性を備えているわけではない

ということのようだ.

 

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