アンドロイド型の顔の表現力を高める

研究テーマ

柔軟皮膚の変形で人のような表情を呈示するアンドロイド型の顔ロボットの設計開発を行っています.

子供型顔ロボットの開発(2011年)

大人とのコミュニケーションを通じて子供が社会的な能力を発達させていく仕組みを知り,発達的に能力を高めていけるロボットを実現しようとする試みが認知発達ロボティクスという研究分野において行われています.子供が持っているであろう認知と行動を結びつける学習のアルゴリズムに対し,どのような経験が与えられれば,どのように学習が進んでいくかを,計算機シミュレーションやロボットを用いて調べるものです.

この目的のために様々なタイプのロボットが使われてきましたが,写実的な子供のみかけをしたものはありませんでした.けれども,子供のみかけで豊かな表情を出せるロボットでなければ,実際の子供が大人から引き出すような愛情豊かな反応を浴びることができず,効果的な実験ができない可能性があります.そこで,小型で,子供のみかけを持つ顔ロボットの開発を始めました.

まずはアンドロイド型の顔ロボットの開発を進める上で解決が必要な技術的課題がどこにあるのかを知ることが必要です.そのために,粘土の彫像を作成するところから始めました.この彫像を元に柔軟被覆を作り,中に収める機構の設計を行います.

affetto_face

下の動画に示すのが,開発した顔ロボットの内部機構の動作の様子です.両目,顎,上下唇がそれぞれ動く様子がわかると思います.

この機構の上に,3mm厚程のウレタンゴム製の柔軟被覆を載せて動作させた時の様子が下の動画です.中の機構には上の動画と同じ動きをさせています.柔らかい被覆が載ることによって印象が随分変わります.

動作のバリエーションや動きの大きさは十分ではありませんが,このロボットの作成を通じて,単に柔らかい材料を使うだけではうまく表情が出せないこと,柔らかい材料と機構部分の接合部分に繊細な注意を払う必要があること,被覆と頭蓋部の摩擦が被覆の変形の邪魔をすることなど,今後の研究開発の種となる多くの発見が得られました.

関連論文:

  1. Hisashi Ishihara, Yuichiro Yoshikawa, and Minoru Asada. Realistic Child Robot “Affetto” for Understanding the Caregiver-Child Attachment Relationship that Guides the Child development. In Proceedings of the First Joint IEEE Int’l Conf. Development and Learning and on Epigenetic Robotics, Vol. 2, pp. 1-5. Aug. 2011.
  2. Minoru Asada, Yukie Nagai, and Hisashi Ishihara. Why Not Artificial Sympathy? Social Robotics in Lecture Notes in Computer Science, Vol. 7621. pp. 278-287, October 2012.
  3. Hisashi Ishihara and Minoru Asada. “Affetto”: towards a design of robots who can physically interact with people, which biases the perception of affinity (beyond “uncanny”). IEEE Int’l Conf. on Robotics and Automation, Workshop, May 2013.

ピックアップ記事

関連記事