[採録]Frontiers in Robotics and AI誌に論文採録
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2017年度修士課程に在籍していた呉濱沂君と行った研究の成果がFrontiers in Robotics and AI誌に採録されました.
Hisashi Ishihara, Binyi Wu, Minoru Asada. Identification and evaluation of the face system of a child android robot Affetto for surface motion design. Frontiers in Robotics and AI. 2018.
アンドロイドロボットの顔の内部機械への指令値と被覆表面の動きの関係を計測分析して動きの癖を数学的に記述し,被覆表面の動きをより精密に操ることを可能にした研究です.アンドロイドロボットの顔は,複雑曲面を有する肉厚の柔軟被覆の変形によって表情を呈示する装置であるため,内部機構の動きと被覆表面の動きは必ずしも一致しません.また,被覆の作成や取り付けは手作業に頼らざるを得ないため,機械としての動きの再現性や操りやすさは設計時には予測できないという難しさがあります.そのような状況でありながら,アンドロイドの顔の機械的性能や癖を把握する実験はおろか,評価するための基準すらない状況でした.本研究で提案した評価基準によって,今後作成されるアンドロイドの顔の性能比較が可能になるため,より着実で効果的な開発競争が行えるようになることが見込まれます.また,顔の表面の動きをより精密に操れるようになったことにより,笑顔や怒り顔,といったカテゴリ的な感情表現だけでない多様な情報を表情に載せて人に伝えることができると期待しています.