小型アナログロータリポテンショメータの選定

工学系記事

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ロボットの関節角度検出用に幅10mm程度の小型のロータリポテンショメータを選定する必要があったので、その時に調べたことのメモ。

まず、構造面での分類。
導電性プラスチック型(コンダクティブプラスチック型、炭素系混合型)は、プラスチック基板上に炭素系導電材料と樹脂の混合物で薄く滑らかに形成された摺動面を持つものである。摺動面が平滑であるため、低トルク、高分解度(理論的無限小)、長寿命(対巻線型)、高速追従性(600rpm以上)という長所があり、また、酸化にも強いため接触不良を起こしにくく、構造上直線性が高く使用温度範囲も広い。しかし、許容電流が小さく、抵抗温度係数や接触抵抗が大きいという短所がある。ただし、抵抗温度係数や接触抵抗の大きさは、他の補正抵抗などのない単純な分圧回路で使用する場合には問題とならないため、角度検出のポテンショメータとしては使い勝手がよいように思われる。
巻線型は、金属系の巻線抵抗上をワイパーが摺動する構造を持つものであり、定格電力が大きく、接触抵抗、抵抗温度係数(対導電性プラスチック型)が小さいという長所がある。その反面、巻線の間隔に応じて出力電圧(ポテンショ抵抗値)は階段状に変化する。
金属皮膜型は、抵抗温度係数が小さく、カタログにも数値が記載されている場合が多い。また、耐電圧も高い(1000V一分間程度)。
サーメット型は、セラミックスと金属を練り合わせたものを抵抗素子として利用したものであり、抵抗値許容差が小さく(2%程度)、耐電圧が高く(1000V一分間程度)、抵抗温度係数も小さい(±150*10E-6/℃)ため、電流調整回路で使用する場合に適している。
非接触型は、摺動部がないため、ノイズレス・高速応答性・長寿命・低トルクという長所がある。光学式のものや、磁気式のものがあるが、振動や衝撃、あるいは静電気に弱いという短所がある。

次に、電気的・機械的特性について。
公称抵抗値(全抵抗値)は両端端子間の抵抗値である。複数用意されていることが多く、S/N比を高めるためには抵抗値が低いほどよいが、定格電力を超えないように注意が必要である。抵抗値許容差は、公称抵抗値の誤差範囲であり、分圧回路の場合は問題にならないだろう。直線性は、精度を表す値であるが、基準の取り方によって単独直線性、基点直線性、絶対直線性など様々な定義がある(参考の「用語について」及び「用語解説」参照)。有効電気角は、角度に応じて出力電圧が変化する角度範囲であり、この範囲を超えると、短絡状態になるなど、センサとして有効な出力が得られなくなる(ただし、この範囲で直線性が保障されているとは限らない)。機械的回転角は、機械的に壊れることなく軸が回転可能な角度範囲を指し、有効電気角とは必ずしも一致しない。機械的回転角が360°以上(360°連続)の場合でも、有効電気角が360°以下であれば一回転する毎に抵抗値が不連続的に変化する。回転トルクは、軸を回転させるのに必要なトルクであり、角度検出の場合には低いほうが望ましい。

以下に、本体径が10mmで入手可能な導電性プラスチック型ロータリポテンショメータの仕様をまとめた。

【小型アナログポテンショの仕様比較】
名称 全抵抗値 本体幅*高さ ねじ幅*長さ 軸径*長さ 有効電気角 機械的回転角 トルク
JC10(Copal) 2k, 5k, 10k φ10*8.6 M6細*6 φ3*8 324 360連続 1.96
MC(Copal) 5k, 10k, 20k φ10*14.1 M6細*6 φ3*10 1080 1080 2.94
RV102(Tocos) 10kのみ? φ10*7.5 M6細*6.5 φ3*3.5 270 300 1.96 – 19.6
RV103(Tocos) 10kのみ? φ10*6.8 M6細*3.5 φ3*6.5 270 300 1.96 – 14.7

※全抵抗値はΩ、トルクはmN・m、角度は度(°)、長さはmm。

Copalのものは軸が長く、また機械的回転角度が大きいので壊れにくい。Tocosのものは、本体高さを低く抑えられ、ねじ部の長さと軸の長さを二通りから選択できる。Tocosのものの全抵抗値は、発注時にどのように指定が可能かがカタログからは読み取れなかったので、要調査。

参考:
ポテンショメータセレクションガイド
動作原理
緑測器技術情報
センサーとスリップリングについて
テック君のまめ知識
用語について
用語解説
Copal用語解説公称抵抗値
Tocos用語と測定法

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